もう1度~私と先生と桜の木~
「おーっす」
「おーっす、じゃねーよ!
どんだけ待たせてんだよ」
「悪い悪い」
俺はそう言いながらカウンターのイスに座った。
場所は家の近くのバー。
隣に座って俺に文句を言っているのは翔馬だ。
最近彼女にフラれた例のカッコ悪いオトコ。
「理由を言いなさい、理由を」
「奏たちに嫌がらせを…」
「ウソつけ!
お前から聞く奏ちゃんはそんな子じゃねーぞ」
へへ、と笑って誤魔化す。
「でもさあ、聞いてくれよ」
「なんだよ?」
「奏にさあ」
俺はなぜか翔馬と会うたびに奏の話をする。
「オトコがいるんだよ。
しかもイケメンの」
ホント、ビックリさせられた。
類と奏がいくら否定しようとも
証拠がない限り俺は疑い続けてやる!