あ
「大地!あのさ、今日はここまででいいよ」
かれんは、急に立ちどまっていった。
「なにいってんだよ。いつも家まで送って
ってゆうくせによ」
「うん、でもね?今日は、いきたいとこあるから…いいの」
「行きたいとこ……?」
あらかさま不機嫌になる俺。
「う、うん!用事があって!だからいかなきゃいけないの」
慌てていうかれんにいらつく。
……なんだ、そういうことかよ。
「どこいきたいか…なんとなくわかった」
「へっ!?な、なんでわかるの!」
なんでって…………
俺たち何年の付き合いだと思ってんだよ。
お前の顔見りゃわかるっつーの。
「なんとなくだよ。まぁ気をつけていってこいよ?」
かれんの頭に手をのせる。
「あ、うん!いってくるね!」
「おー」
俺に手を降るかれんに俺もふりかえす。
そう言って俺に、背を向けて走りだす。
誰かの為にあんな嬉しそうに走るかれんが
………少し遠く感じた。