裏生徒会部


仁は少し考えると、口を開いた。


「誰から…聞いた?」

「軽音部の部長」

「ったく…玲奈の奴か……」


仁は溜め息を吐くと、俺の方を真っ直ぐと見る。


「柊也。このことは誰にも言うな。分かったな?」

「なんで」

「訳ありだ。訳あり」

「こればっかしはね~。俺からも頼むよ」


こんな頼み事をしない2人が頼み事をしてくるんだから、よっぽどの訳ありらしい。

仁には色々恨みっぽいことはあるけど…俺もそこまで鬼じゃねぇし。


「よく分かんねぇけど言わねぇよ。誰にも」

「サンキュ」


仁はほっとした顔をすると、俺が来た方向へと歩いて行く。


「央。ちょっくらあいつらをしばいてくるから、後頼んだぜ」

「はいはい」


なんか聞いといて良かった気がする。本当に。


< 102 / 739 >

この作品をシェア

pagetop