裏生徒会部


期待しているのか、顔を近付けて私の答えを待っている。

くっ…こんな可愛い顔して聞かれたら勿論、答えはこれしかないじゃないか。


「うん、おいしいよ…」

「でしょ~♪」


ごめんね、鈴菜。

こう答えないと、私だけ味音痴な奴に思われる。

それだけは嫌だし。

色々とぎゃーぎゃー騒いでいると、またまたまたドアが開いた。


「はぁ…はぁ……りっ、律くん達!!た、大変だよぉ…」


そこには息を切らしている小さな男の子がいた。

うん…男の子、だよね?

っていうか保健室に来る人、皆息を切らしてるんだね。


「おー。実は女子な陽ちゃん、どったのー?」

「僕は男子だよっ!!」

「で、どうした?陽介」

「あ、うん。それがねっ!!体育祭をサボってる奴はさっさ来ないと後悔するよって、副会長さんが言ってて…」


あ…そういえば、体育祭がまだあってるんだったっけ。

後悔するって……え。


「いーよ、いーよ。べっつに~」


そう言う怖いもの知らずな元気な女の子。


「お前は良くても、俺は良くねぇっての。陽介、月乃、行こうぜ」

「…分かった」

「うんっ!」

「ちょっ!置いてかないでよっ!!」


元気な女の子は、先に出て行った3人を追いかけて行った。

…うん。

あの子達は結局、なんの用だったんだろうか。


「おーし。じゃ、あたしらも先戻ってるな」

「元気になったら来てね~。もう終わると思うけど」


茜と鈴菜も手を振って行ってしまった。

本当は一緒に行くつもりだったけど、鈴菜の言葉的には柊也と来いみたいな感じだったしなぁ。


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