裏生徒会部
Mission☆3
甘い誘惑にご用心
- 静音side -
「…………はぁ」
“誰かにつけられてる”
そう感じていた。
それは、体育祭が終わって数週間経った頃から。
今は6月の終盤で、夏休みまで1ヶ月は切ったところだ。
「…さて、今日も頑張るわよ」
「待て」
柊也は手招きをする。
つまり、来い、と。
「何?」
「ずっと気になってたんだけど……あいつ誰」
聞こえないようにか、小声で話す。
あいつ、とは、私をつけている人のことだろう。
誰って聞かれても…私が聞きたいぐらいなんですが。
「私も知らない…っというより私が聞きたいくらいなんだけど」
「ふーん」
柊也は顔をドアの方へと向ける。
やっぱり、まだいたんだ。
正体不明の人。
私が正体不明の人に声を掛けなかった理由は特にない。
ただ、家までついてくるようなストーカーではなかったから気にしないでいた。
まぁ、学校にいる間はほとんどついてきてたみたいだけど。