裏生徒会部
中西くんは最早呆れ顔。
私もクラスメイトの名前と顔ぐらい覚えておくべきだと思う。
「中西くん」
「あ、なっなんや…じゃなくて何?」
「言い直さなくていいだろ」
「うっさい!一ノ瀬は黙っとけ!」
よく分からないけど、中西くんは柊也のことが嫌いなことが分かってきた。
「あの…何か用があるの?依頼?」
「え、依頼ちゃう」
「じゃあ、何?」
「いやぁ…なぁ……」
何か言いたげにしているのは分かる。
でも、どうして戸惑ってるのかは分からない。
「何か用があるならさっさと言えよ」
「はぁ…それがなぁ……月森 成(ツキモリ ナル)って知ってる?」
月森成って……知らない、よね。
「お前とよく一緒にいる奴だろ」
「そや…って、俺のこと知っとるやないか!!」
「中西大貴って誰ー。知らねー」
「おいこら訳分からへんこと言うなや」
どうやら柊也は中西くんのことを本当は知っていたらしい。
そして柊也もなぜか中西くんのことを嫌ってるようだ。
「あ、えと…私は知らないかなぁ」
「そか。いや…なんというかなぁ……そいつが…」
『大貴ーどこ行ったー?』
「わっやばっ!!」
中西くんは廊下から聞こえた声を聞いた瞬間、私の腕を引っ張り、机の下へと座らせた。
「な、何!?」
「しーっ!ちょーっと黙っといて」
訳も分からず、とりあえず言う通りに黙っておく。