裏生徒会部
中西くんは立ち上がると、柊也に何か耳打ちし、ドアの方を向いた。
…なにが始まるのやら。
微かに聞こえていた足音は段々と大きくなり、やがてピタリと止まる。
見えないけど、部室のドアの前に立っているのだろう。
「おぉっ大貴!ここにいたのか」
「まっまぁ、一ノ瀬に用があってなぁ」
「別に俺はねぇけど…」
「えっちょっ、何言ってんねん。さっきまで話して…」
「さぁ」
中西くんの動揺している声と柊也の面白がっているような声がなんとなく分かる。
流れ的には、中西くんの話に合わせて欲しいんだろうけど…それを柊也がやっていない、と。
「…大貴、一ノ瀬と仲が良かったのか?」
「えぇで」「悪い」
正反対のこと言ってるんだけど。2人とも。
「ふんっ…僕は嫌いだがな。物凄く大嫌い」
「好かれてたら逆に気色わりぃよ」
なんの言い合いをしているんだか…。
っていうか、私はいつまでここに隠れてればいいんだろう。
そもそもどうして隠れる必要が?
「ところで、浅井さんは?」
「あ?あいつならそ」
「浅井さんなら多分、教室にいるんちゃうか!?なっ!?」
「いや、そ」
「ほら、成。はよ行かへんと帰るで、浅井さん」
「おぉっそうか!!」
月森くんは納得すると、すぐ様に走って行ったようだ。
私、ここにいるんだけど。