裏生徒会部


車の中。

想像していた以上に大きな空間が広がっていた。

まさにお金持ちって感じな…。


「姫。何か飲み物など如何でしょうか?」

「え。いや、何も」

「凪ちゃん、俺…」

「にっしーは自分で注いでください」


中西くんは拗ねた表情のまま、飲み物を選び、コップに注いでいた。

……クーラーがかかっいるのに涼しくない。

暑いってわけではないけれど。


「あの……もう少し離れて…」

「「え?」」


私のすぐ右に座っている凪さんと、すぐ左に座っている月森くんが同時に反応した。

こんな広々とした車なのに、どうしてくっついて座らないといけないんですか。


「ですが、姫。急ブレーキなどが掛かり、姫にお怪我をさせるのは……」

「大丈夫ですよ…っていうか姫ってやめません?」


姫と呼ばれるのは結構恥ずかしいものだ。

別に偉いってわけでも、お姫様みたいに可愛い、ってわけでもないし。


「嫌ですか?姫」

「はっきり言って嫌ですね…」

「左様でございますか…。でしたら、静音様と呼ばせて頂きます」

「いや、様なんて……」

「様は必要ですよ」

「左様でございますかー………」


凪さんの基準が分からないや。

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