裏生徒会部
スーパーに着くと、予想通りちらほら目線が此方に向けられている。
気にしたら負け…気にしたら負け……。
「えっと…豚肉に玉ねぎ。それからジャガイモとニンジン…カレーかぁ♪」
「残念ながらカレーではありません。肉じゃがです」
「あ。肉じゃが……」
一瞬にして消えていった喜び。
別に肉じゃがが嫌いってわけじゃないけど、カレーの方が良かった…。
『おい、咲也。お前、菓子ばっか入れてんじゃねぇよ』
『あははっ。バレた~?』
『さっさ返してこい。さもないともう飯抜き』
『ちぇっ…柊也はケチだな~』
聞き覚えのある声だと思って振り返ってみたものの…どこの親子だ。
いや、兄弟だけど。
こう…学校以外で知り合いに会うのってなんか変な感じがするんだよね、私。
見なかったことにしておこ…
『おっ!!静音さんっぽい人見っけ♪』
『あ?どこ?』
『ほら、なんかメイド服着た女の子の横』
「…静音様、見つかってしまったようですよ」
「見つかってしまったみたいですね…」
目線だけ柊也達の方へ向けると、咲也くんが此方に近づいて来ていた。
「静音さーん!」
「こんばんは、咲也くん」
「こんばんは~♪そこのメイドさんと買い物ですか?」
「うん」
「凪と申します」
凪さんが頭を下げると咲也くんも慌てて頭を下げる。
「咲也っていいます。えと、あっちが兄の柊……あれ?」
咲也くんが指をさした方にはもう柊也の姿はなかった。
代わりに少し…というか、体型が凄い方がいた。
「お兄さん…ダイエットされたほうが良いのでは?」
「あの人じゃない!っていうかどこに行ったの柊也!!」
「もう帰ろうとしてたりして」
柊也のことだからありえるよね。