裏生徒会部
転校生と波乱の始まり
- 柊也side -
朝礼が始まるギリギリの時間に教室に入ると、いつもと違った雰囲気で騒めいていた。
そんな中、いつもと全く変わらず机に俯せて寝ている奏十に声をかける。
「奏十。なんで皆、騒いでるんだ?」
「…ん?あぁ、柊也か。おはよ」
「おはよう。で?」
「うん。転校生が来るからな」
「転校生?」
転校生ごときで騒ぐことなのかは分からないが。
この時期に転校生?
あと1ヶ月もしない内に夏休みなのに。
「まぁ、でも一時期なんだけどな」
「一時期?」
「おう。夏休みにはまた引っ越すみたいだから」
なるほど。
1ヶ月間だけってことか。
「でもなんでそんなに詳しいわけ?」
「は?生徒会だからに決まってんだろ」
「あぁ…そういえば、そうだったな」
「おい…」
会長、副会長が色んな意味で濃過ぎて忘れていた。
奏十は確か書記だったっけ。
「一ノ瀬~♪」
朝から聞きたくもない声が聞こえて、耳を塞ぐ。
「ちょっなんやねん!!その態度は!!」
「柊也、大貴と仲良かったっけ?」
「全然。誰、大貴って」
「昨日、仲よーなったやんか!」
仲良くなった覚えは全くない。
まぁ、長々と話はしたけど。