裏生徒会部
紙をペラペラと捲り、難しい顔をする静音の前にある椅子に座る。
最近はこの場所が自分の定位置になっている気がする。
「お前、月森と付き合うことにしたのか?」
「昨日断ったのになんで。付き合ってないわよ」
「ふーん…なら良かっ……」
待て、俺。
落ち着け、俺。
今、おかしな単語を無意識に言おうとしていた。
どうでもいい事…だろ。
「今、良か」
「言ってない」
「何?どうしたの?」
「いえ。柊也様が、よ」
「言ってない」
静音は首を傾げ、また紙をペラペラと捲り出す。
メイドの女は俺を見て軽く笑うと、静音が見ている紙に目を通し始めた。
…少し苦手かもしれない。
「よし。今日は何もすることないから、何かしよう」
「は?」
「トランプ?将棋?オセロ?チェス?麻雀?」
どこからか次々と遊び道具を出してくる。
俺的には何もないなら帰りたい。
「…あ。すみません、静音様。そろそろ仕事がありますので失礼させて頂きます」
「え?そっか、分かった」
「何時ごろにお帰りになられますか?お迎えにあがりますが…」
「ううん。大丈夫」
「承知致しました。それでは」
腰に付けている時計を見ながら、部室を出て行った。
…コスプレじゃなくてやっぱ本物っぽいな。