裏生徒会部
月森くんの部屋の前。
ドアノブに手を掛け、開けるが…
「あ、あれ?」
「いねぇな」
部屋の中には月森くんの姿はなかった。
「柊也が間違えたんでしょ」
「間違えるかよ。お前じゃあるまいし」
「それはどうい」
「え。あれ?浅井さんと一ノ瀬?どうしてここに…」
私達が来た方向とは逆側から来た月森くん。
家にいるのになぜ制服を着ているのかは謎だ。
そんなことより、連れていかないと。
「月森くん、行くよ!!」
「どこにですか?」
「円さんのところ」
「へ?どうして浅井さんが円のことを知っているんですか」
「依頼者だから。全部話は聞いたの」
「全部って…」
「付き合ってたこととか、そういうこと」
「……それで?どうして僕が円に会わなきゃ行けないんですか」
いつもの声とは全く違う、冷たくて低い声で言った。
学校に来なかった理由は円さんがいたから、なんだと思う。
嫌いだから、なのか他に理由があるのかは分からないけど。
「月森くんはどうして円さんに会いたくないの?」
「…円は僕のせいで事故に遭ったんですよ?会わせる顔ないですよ、そんなの」
「あれは事故なんだから、月森くんのせいではないでしょ?」
「僕が追いかけていれば事故に遭わなかったわけだし、同じじゃないですか」
「あーあ…うざいし呆れる」
この手の話は苦手なのか、円さんの時と同様に黙って聞いていた柊也が口を開いた。
もう少しぐらい我慢してもらいたいんだけど。