裏生徒会部
月森くんの案内で、車庫まで行くと、手に雑巾を持った中西くんがいた。
「凪ちゃん、終わったで~」
「やれば出来ますね。にっしー」
「いや、車拭くぐらいできるに決まっとるやろ…」
どうやら車を拭いていたらしい。
高そうな車かと思ってたけど、意外に普通の車だった。
「準備は整いました。静音様」
「よし、い」
「おぉぉぉっ!!!成ーっ!!!心配したでー!!!」
「悪かったな、大貴」
「えぇねんえぇねん!元気そうでなによりや!」
「こいつは元気過ぎてすげぇうざかったんだけど」
付け加えるように言う柊也に中西くんは納得いかない顔で首を振った。
「全っ然、元気なかったわ!!心配してたんや」
「どこがだよ、超うざかった」
「はいはいはい。言い合いは車の中でして。間に合わなくなったらどうすんのよ!?」
凪さんは運転席、助手席には月森くん。
左端に柊也で右端が中西くん。
なぜか真ん中になってしまった私は空港に行く間、黙りとくだらない言い合いを聞き流していた。
たまに柊也の言う言葉に私の愚痴が入っていたりしていて、そこには加わったけど。