裏生徒会部
私の手を離し、きちんと立たせてくれると溜め息を吐いた。
「お前って早死にするタイプだよな」
「なっ…失礼な!柊也より長生きしてやるんだから!!」
「はいはい、頑張れ」
う……最近、凄く軽くあしらわれているような気がする。
「一ノ瀬ーっ買って来たでぇっうわっと!!」
道路を挟んで、向こう側から走って来た中西くんは車にぶつかる寸前に此方まで辿り着けた。
ぜぇぜぇと息を切らしながら、片手に持ったジュースを柊也へと差し出す。
「こいつが一番、早死にするタイプだな…」
「あはは…同意」
柊也はジュースを開け、一口飲むと私に目線を向け、蓋を閉めた。
そして何を考えたのか、もう一度開け、また一口飲む。
…何がしたいんだろうか、柊也は。
「……俺はもういらねぇからやるよ」
「え?くれるの?」
「あぁ」
気が利くなと思いつつ、差し出されたペットボトルに手を出すと、ペシッと横から手を叩かれる。
叩いたのは中西くんで、手でばってんマークを作り、むっとした表情だ。
私も柊也も頭にハテナマークを浮かべ、首を傾げる。
「俺の前で間接キス禁止やっ!!」
「私、別に気にしないタイプだけど」
「俺も」
「ちゃうねん!2人が気にせんでも俺が気になんねん!」
「え、何その理屈…」
「思い出すから絶対ダメやで!!」
念を押すように言われ、飲むのを諦めた。
中西くんはそういうのに照れちゃうタイプなんだろうか。
私に純粋なんて言っておいて、中西くんも十分純粋なものだ。
っていうか、思い出すってことは自分が誰かとしたことがある、ってことだよね。