裏生徒会部


次は重みではなく、頬に痛みを感じ、目が覚めた。


「…ひたい……」

「やっと起きたか」

「はれ?もほつひたの?」

「とっくに」


つねっていた柊也は私の頬から手を離し、車を降りる。

隣でまだ寝ている中西くんを起こし、私も車から降りた。

そして降りた瞬間、不意に誰かに抱きつかれる。


「えぇっ!?」

「浅井さんっ!!本当にありがとうございました!!」

「う、うん…」


凄く嬉しいって気持ちが伝わってくる気がする。

抱きつく意味は分かんないんだけどね。


「……で。上手くいったのか?良かったな」


聞いたくせに返事を聞く前に言葉を告げ、抱きついていた月森くんを私から離す。

腕を組み、目を泳がせる月森くん。

何か言い合いになるかと思ったけど…


「い、一ノ瀬」

「何」

「お前にも…その……感謝してる…」


その言葉を聞き、一瞬驚いた顔をしたが、また無愛想に戻った。


「…別に。俺が何かしたわけでもねぇし」


背を向け、帰って行く柊也。

素直じゃないなぁ、なんて思いながら笑った。

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