裏生徒会部


猫の首を掴むと、また鍵を開け部屋の中へと入れた。


「へー…すれてっちゃらめなんれすか?」

「駄目。こいつ、いつの間にかどっか行くから」

「ペットは飼い主に似る…なるほど」

「ほれも納得しました。ほれ」

「どういう意味だ」

「っていうか、離してあげたら?」


頬から手が離なれると「いたぁー」と溜め息を吐きながら頬を擦っていた。

猫が寂しげに鳴いていたが、容赦なくとドアを閉める。

あぁっ…可哀想に……!

ドアの中から「にゃーにゃー」と聞こえると思えば、次は左から返事をしているように鳴き声が聞こえた。


「おっ。静音じゃん」

「静音さん久しぶり~♪ってかなんなの?この組み合わせって」


足元に2匹の猫、両手で3匹の猫を抱えた咲也くんと袋を手に持ち、アイスの棒を加えた茜がいた。

キャップを被り、半袖に短パン、そしてサンダル。

なんとも茜+夏らしい格好だ。

咲也くんは猫が周りにたくさんいて暑そうなんだけど。


「さく、彼女か?」

「え~どうかなぁ~♪」

「彼女なんて恐ろしい冗談やめろよな」

「恐ろしいとか失礼っすよ茜先輩!」


うん。相変わらずなんとも仲が良いみたいだ。

そういえば、だ。

足元にいる2匹と両手で抱えられている中の2匹は首輪をしているが、あと1匹は首輪をしていない。

後ろ側で数が聞えると止まる。


「咲也…お前、また1匹拾って来たな?」

「あれっ?バレた?」

「さっさ逃がして来い」

「やだ!!こいつ可愛い!!今回で最後だからさ!!ねっ?」

「その今回で最後は何度目だ」


呆れたように溜め息を吐く。

どうやら咲也くんはよく猫を拾ってくるらしい。

大半は柊也に怒られて返すらしいが、本当に気に入った猫は飼っているとか。

とりあえず、相当な猫好きみたいだ。


「名前も決まってるんだよ。ソラ」

「にゃー」

「可愛い~♪ねっねっ?いいでしょ!?」

「……勝手にしろ」

「やったー!!良かったなぁ、ソラ♪」


咲也くんもソラも嬉しそうだ。

< 223 / 739 >

この作品をシェア

pagetop