裏生徒会部
猫の首を掴むと、また鍵を開け部屋の中へと入れた。
「へー…すれてっちゃらめなんれすか?」
「駄目。こいつ、いつの間にかどっか行くから」
「ペットは飼い主に似る…なるほど」
「ほれも納得しました。ほれ」
「どういう意味だ」
「っていうか、離してあげたら?」
頬から手が離なれると「いたぁー」と溜め息を吐きながら頬を擦っていた。
猫が寂しげに鳴いていたが、容赦なくとドアを閉める。
あぁっ…可哀想に……!
ドアの中から「にゃーにゃー」と聞こえると思えば、次は左から返事をしているように鳴き声が聞こえた。
「おっ。静音じゃん」
「静音さん久しぶり~♪ってかなんなの?この組み合わせって」
足元に2匹の猫、両手で3匹の猫を抱えた咲也くんと袋を手に持ち、アイスの棒を加えた茜がいた。
キャップを被り、半袖に短パン、そしてサンダル。
なんとも茜+夏らしい格好だ。
咲也くんは猫が周りにたくさんいて暑そうなんだけど。
「さく、彼女か?」
「え~どうかなぁ~♪」
「彼女なんて恐ろしい冗談やめろよな」
「恐ろしいとか失礼っすよ茜先輩!」
うん。相変わらずなんとも仲が良いみたいだ。
そういえば、だ。
足元にいる2匹と両手で抱えられている中の2匹は首輪をしているが、あと1匹は首輪をしていない。
後ろ側で数が聞えると止まる。
「咲也…お前、また1匹拾って来たな?」
「あれっ?バレた?」
「さっさ逃がして来い」
「やだ!!こいつ可愛い!!今回で最後だからさ!!ねっ?」
「その今回で最後は何度目だ」
呆れたように溜め息を吐く。
どうやら咲也くんはよく猫を拾ってくるらしい。
大半は柊也に怒られて返すらしいが、本当に気に入った猫は飼っているとか。
とりあえず、相当な猫好きみたいだ。
「名前も決まってるんだよ。ソラ」
「にゃー」
「可愛い~♪ねっねっ?いいでしょ!?」
「……勝手にしろ」
「やったー!!良かったなぁ、ソラ♪」
咲也くんもソラも嬉しそうだ。