裏生徒会部
双子ちゃんの憂鬱①
- 柊也side -
なんだかやる気満々な静音をおいて、ソファに座らされる。
俺と向き合うと、ニヤニヤした表情で見てくる悠。
「柊也先輩、やっと直ったんですか」
「何が?」
「女嫌いです」
「は?」
どこをどう見てそう思ったのかが分からない。
中学の時から悠のことは知っているが、根拠もなく発言することが多かった。
今だって多分、そうだ。
「え?無自覚?だって静音先輩のこと……いや、やっぱなんでもないです」
「あいつがなんだよ」
「いやいやいや、なんでもないですよ。俺の楽しみが減るようなことは言わないようにしてるんで」
1人で納得されても困るんだけど。
静音がなんとか言いたかったみたいだが…なんだ。
あいつは、アホだし結構勝手だし、放っておくと無理し出すし…とりあえず世話が焼ける。
そもそも、この部を立ち上げた意味が分からない。
自分が得することなんてそうはないだろうし、たまに無茶な依頼をしてくる奴もいる。
それでも一度も断ったことがない。
俺が入らされるまで1人でやっていたみたいだが、よくやっていけたなと思う。
「まぁ、夏フェス終わってもちょくちょく顔出しに行きますね。部室に」
「あぁ。いいけど、部活はちゃんとしろよ」
「分かってますって。今まで一度もサボったことないですよ」
「そうか」
悠にとってサッカーは何、なんていうのは分からないが、凄く好きだってことは知っている。
部活をして疲れた後に自主練をしだすし、ボールがあればリフティングしだすし。
「そういや、大会あるだろ?3年が引退した後」
「あ、はい」
「レギュラーになれるのか?」
「さぁ。2年生が結構多いから…まぁ俺1年生だし、選ばれなくてもチャンスはまだたくさんありますから」
「そうだな」
どこまでもポジティブな奴だ。
っていうか、悠はサッカーすげぇ上手いから選ばれると思うけど。