裏生徒会部


それから雑談をして数分経つと「できたー」と静音の声が聞こえた。


「どんな感じで……すか…え」


固まる悠。俺も後ろから覗き込む。

絶句。

あえて言うと、センスの欠片すらもない仕上がりだ。

本人は満足気なドヤ顔で俺達の反応を窺っている。


「あははっ…えと、予想外です。はい」

「美味しそうでしょ♪」

「えー…そうですねー…まぁ…はい」

「お前、レジ担当。決定」

「えぇっ!?なんでっ!?」


「なんで」と聞かれても、作るのも駄目。センスも無し。

もうレジしかねぇだろやること。


「あのー静音先輩。俺からもレジ担当で頼みます」

「えぇっ!?なんで悠くんまでそんなこと…」

「役に立たねぇからだ。レジな」

「うっ…そんなにストレートに言われると私でも傷つく……」


拗ねた静音を慰める悠。

こういうことは正直に言ったほうが本人のためだ。


「まぁ、味はいいけど」

「そりゃそうですよ。見た目と味は違います」

「結構美味しそうに作ったつもりだったのになぁ…うん。美味しい」


文句を言いながらも、ぱくぱくとケーキを食べている。

結局、ケーキは小さかったがほとんどは静音が食べてしまった。

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