裏生徒会部
「あんまんの匂い……」
「え?あぁ、あんまんだけど…欲しいのか?」
くるりと体も此方に向ける。
欲しいと言わんばかりの目であんまんを見やり、こくこくと頷いた。
そんなに欲しがるものなのか。
「ん。やる」
「ほっ…本当!?食べていい?」
「あ、あぁ…」
奪うようにあんまんを取り、すぐに口の中に入れる。
美味しそうかつ、なんとも幸せそうな顔。
キャラの変わりように俺も稜哉も唖然とその姿を見ていた。
全部食べおわると咳払いをし、また俺の方へと顔を向けた。
「あたしは嵐。名前は?」
「一ノ瀬しゅ」
「いっちーだよ。いっちー」
「いっちー…?……いい奴」
積み重ねられた缶から1本手に取り、差し出してくる。
「あげる。お礼」
「誰かの分とかじゃないのか?」
「蓮のだから別にいい」
「え…あ……ありがとな」
嵐は大きく頷くと、缶ジュースを抱えて走って行った。
…なんか変な奴。