裏生徒会部



「…っていうこと。稜香ってば昔から意地張るって言うかなんというか…」

「それ、稜哉くんもだよね」

「まぁそうなんだけど」


「あはは」と笑う稜哉くん。

珍しく、昨日の夜、稜香ちゃんと喧嘩をしたらしい。

よっぽどの事なんだろうと話を聞き続けたが…はっきり言ってそうでもなかった。

特別会長の、生徒会の中での天使(私の中で)、ゆいちゃんにケーキをあげようとなったらしいのだけれど、ここで問題が起きた。

なんのケーキが好きなのか、と考えたところ、稜香ちゃんはイチゴケーキ。

稜哉くんはチョコケーキと意見が割れたらしい。

話し合ってもお互いに譲る気がないらしく、喧嘩になったと。


「静音さんはどっちがいい?」

「私はどっちでも…。2人がゆいちゃんのために頑張って作るんだから喜んでくれるよ」

「んー…でもさ、あげるなら好きなものがいいでしょ」

「それもそうだけど…」


双子ちゃんは凄くゆいちゃんのこと好きだから、喧嘩になるんだろうなぁ…。

いや、でも…これで喧嘩はちょっと、とも思うけど。


「稜香ちゃんはお姉ちゃんなんだから、譲ってあげたら?」

「む……姉とかそうじゃないとか関係ない!…もう、俺帰る!相談乗ってくれてありがと!じゃーね!」

「あぁっちょっと…!!」


駆け足で家を出て行く。

しまった…。

これは確実に地雷を踏んでしまった。

稜哉くんは昔から姉だからとか弟だからとかで言われるのが嫌いだったんだ。

うわー…私のバカ。

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