裏生徒会部

仲直りでやる気200%



稜哉くんは満足気ににっこりと笑い、次は私の口の中へと運んだ。


「はい、静音さんも」

「…………同じ…」


口の中に入れられたケーキは稜香ちゃんの作ったケーキと同じ味がした。

見た目からも同じだったけど。


「同じって何が?」

「稜哉くんが作ったんでしょ?このケーキ」

「え?うん。よく分かったね」

「稜香ちゃんのと同じ味だから」

「稜香の…?」


目線を稜香ちゃんの方へと戻す。

稜香ちゃんは袋からケーキを入れた箱を取り出し、稜哉くんに差し出した。


「あたしが……作った。アイデアは静音さんだけど…稜哉と仲直りしたくて……その…」

「マジで?俺も仲直りしたくて作ったんだよ」

「本当?」

「うんっ!」


稜哉くんの返事を聞いた後、ぱぁっと笑顔になる。

そして私の後ろから出てきた。


「稜哉ぁーっ!!」

「稜香ぁーっ!!」


がばっと抱きつき合う2人…いや、双子。

別れそうになって寄りを戻した恋人か。

少なくとも姉弟の光景ではない。雰囲気が。

どうか二人が姉弟という境を越えませんように…見守っておこう。

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