裏生徒会部
「静音さーん準備終わったよー!!」
「どうどう?美味しそうでしょー♪」
双子ちゃんの声が聞こえ、振り返ると、冷蔵ショーケースの中には美味しそうなケーキがズラリと並んでいた。
「凄い美味しそう!」
「「えっへん♪」」
「俺のも美味しそうですよね?」
「うん!」
悠くんが指をさした先にあったケーキはモンブラン。
お店に負けないくらい美味しそう…っていうか、どうして皆こんなに器用なんだろうか。
「静達はケーキなんだ」
「わっ!嵐ちゃん」
いつの間にか後ろに来ていた嵐ちゃんはじっとケーキを見つめる。
その後、私をつま先から頭まで見てきた。
「何、その格好は。趣味?」
「趣味じゃないよ…」
「ふーん。その割には上手く着こなせてるね」
これって褒められてるんだろうか。
レジの横に置いていた生徒会の劇の宣伝のチラシを手に取り、ポケットから取り出した紙と見比べる。
「どうしたの?」
「学園長達のと生徒会の、どっちが面白いかなって」
「でも嵐ちゃんは学園長先生側についてるんでしょ?」
「うん。あんまん」
「やっぱり、あんまんのためなんだね」
「勿論」
嵐ちゃんは柊也のチョコ好きの如く、あんまん好き。
「あんまんのためならば大体なんでもする」と言っていたが、本当になんでもしていた。
笹島さんの件の時に、仁が「あんまん」っと言っていたのも嵐ちゃんを動かすには最も効果的なことだったわけだ。
『嵐ー。一輝と海人探しに行くよ』
「わかった。じゃぁね、静」
「うん。負けないからね!」
「あたしもあんまんのために負けない」
いつもはやる気のない嵐ちゃんも、今日はやる気満々に見えた。