裏生徒会部


と、とりあえず…落ち着け私。

Q→あの柊也がどうして私を抱き締めているのか。

A→分からない。

…だよね。


「柊也っ…かっからかってるなら離れて!!」

「俺がからかってこんなことすると思うか?」


思わない。

柊也に限ってそれはない。

冗談でもこんなことはしない。

じゃ、この状態は何ってことになるけど。

柊也は離れたかと思うと、私の体を半周回し、自分の方へと向けた。

すぐ目の前にある柊也の顔。

下手に動けば唇が触れてしまうくらいだ。


「ぁぁっあの…柊也……近いっ!!」

「そうだな」

「いやそうだなとかじゃなくてっ…ととと、とりあえず離れて!!」

「嫌だ……」

「嫌だって、ってどうしたの!?」


ぼーっとした顔のまま、ゆらゆらと揺れている。

すると、急に柊也は私の肩に倒れこんだ。


「ちょっ柊也!?」

「…………………」

「ねぇって!!」

「…………………」


返事はない。

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