裏生徒会部
講堂に着くと、イライラオーラ全開な仁が待っていた。
「はぁ……はぁ…ごっごめんっ!!」
「ったくおせぇよ…ってお前。その格好で来たのか?衣装は?」
「へ?」
自分の格好を見る。
…メイド服。
この格好のままで、ここまで走って来たんだと思うと恥ずかしくなってきた。
まぁ、今はそんなこと考えてる場合じゃない。
衣装を忘れて来てしまった。
「仁…あの……ごめん。忘れて来た…教室に」
「おいおい…まじかよ……」
怒られると思ったが、呆れられた。
仁は難しい顔をして考える。
劇はもう始まっていて、私の出番ももうすぐだ。
「メイド服……あ。そうか」
「何…?」
「亮ちゃんの役はエロ魔王だからな。手下にメイド服着させてるってことにしよう」
「えぇっ…」
そんな適当な感じでいいのだろうか。
「ほらっ静音、出番くるぞ」
「あっえ…どうすればいいの!?」
「練習通りやればいい。あいつらならアドリブぐらいやってくれるだろ」
仁に背中を押され、ステージへと出た。