裏生徒会部
次に2つ目。
悠くんに関して。
放課後、グラウンド付近を歩いていた時の話。
掛け声や話し声が混ざって聞こえる中、それとはかけ離れた一声が聞こえた。
「くそっ…!!」
グラウンドから目の前へと目線を移す。
その先にいたのは悠くんだった。
そして声をかけようと近くに寄ると気付いた。
全身びしょ濡れ。
雨が降ったわけでもないのに、そのくらいびしょ濡れの姿だった。
どう思っても汗ではない。
「悠くん!どうしたの!?」
「へ?あぁ…静音先輩。夏フェス以来ですね」
「そうだね…ってそれより!なんでびしょ濡れなの?」
ハンカチを取り出し、顔をつたっている滴を拭いた。
「暑かったので濡らしただけですよ」
「本当に?」
「本当です。心配してくれてありがとうございます」
にっこりと笑う悠くん。
だが、なぜか笑っているようには見えなかった。
暑いっからって全身びしょ濡れになるかな…9月に。