裏生徒会部


依頼者用のソファに女の子。

その前にあるソファに私が座った。


「相談は何かな?」

「えっと…その……」


言いにくいことなのか、目をキョロキョロとさせた後、俯いた。

この場合は大抵、恋愛系だろう。

ちなみに私が話で聞く好きな人ランキングのダントツ1位は仁。

表向きの人柄は凄く良いし、頭良し、顔良し、運動神経良し。

そしてお金持ちで生徒会長とくれば女子の理想の王子様…みたいだ。

私にとっては魔王様ですが。

最近は笹島さんも増えてきたけど、始めから諦めモードのよう。

「とりあえず、話だけ聞いて欲しい」という感じだ。

栗原さんとあんなにイチャイチャしてるし…諦めているのだろう。


「あの……私、好きっ…なんです」

「誰を?」

「しらきゆうくん…です」


まさかの悠くん。

一応、同姓同名かもしれないので生徒会にもらった、名前、クラス、顔写真の載っている資料で探す。

月桜は本当、人数が多いから同姓同名も全然あり得る。

漢字が違ったりなんてよくあるし。

そして探した結果、白木悠、は1人。

つまり、私の知っている悠くんだった。


「悠くんね~。そっか、そっか。それで?私に相談したいことは?」

「はい。最近、悠くんが疲れているのか少し変で…気になって……」

「少し変…?どんな風に?」

「前までは友達と楽しく会話してたり、していたんですが…あまりなくなって……よく溜め息を吐いているところを見るんです」


溜め息、か。

やっぱり悠くん、何かあったのかな。

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