裏生徒会部


女の子は心配そうな表情で話す。

好きな子がいつもと違ったら心配するよね。


「原因、とかもしかしたら、みたいなことある?」

「あ、はい。悠くんと一番仲の良い人がいるんですけど…その人と全く話していなくて……」

「喧嘩、だったり?」

「もしかしたら…そうかもしれません」


喧嘩、か。

一番仲の良い人と喧嘩すれば落ち込むよね。

原因はその可能性が高いかな。


「それで…依頼したいんですが……」

「うん?いいよ」

「私、友達に押されて告白しようと思っていたんです。…でも気が落ちていることを知っているのに告白なんてしたら迷惑かな、って…」

「なるほど」

「だから、悠くんを元気にして欲しいんです!……無理、ですか…?」

「いや、全然!大丈夫!任せて!」


私も悠くんを元気つけたいし。

依頼は断らない主義だし。

女の子はぱっと笑顔になる。


「ありがとうございます!」

「いえいえ。…あ、名前は?」

「田中 歩香(タナカ アユカ)です」

「歩香ちゃんね。依頼が終わったら話すわ」

「はい!お願いします!」


歩香ちゃんはお辞儀をした後、部室を出て行った。

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