裏生徒会部


2日目。

昨日は面倒な2人に絡まれ、大変だった。

あの後は言い合いをしていたら、いつの間にか部活も終わってたし。

今日こそは、本当に悠が目を付けられてるのか確信を持たねぇと。


「はぁーい!そこのお兄さん、お兄さん♪」

「………………」

「ねぇって!そこに座ってる赤髪のお兄さーんっ!!」

「…俺か?」

「そうだとも。そうだとも」


振り返ると、サイドで髪を縛った女が手を振っていた。

見覚えがあるような気がする…。


「暇?暇だよね!?手伝って!!」

「はぁっ!?」


俺の返事も聞かずに、腕を引っ張る。


「おいっ!!なんだよ!?」

「いや~それがさぁ~この段ボールね。1人じゃ運べなくて…」


連れてこられた場所には5つの段ボール箱があった。


「ってことで、よっと…」


俺に3つ積み重ねた段ボールを持たせ、残り2つは自分で抱える。

…ん。

なんで俺が手伝わされてるんだ。

こんなことしている暇はないのに。


「自分で運べ」

「あらやだっ!こんなか弱い女の子に5つ持てって?」

「他に頼べばいいだろ」

「えーっ!?お兄さんお願いっ!!」


そういえば。

こいつのネクタイの色は赤…1年か。

吉野か悠のことを知ってるかもしれない。


「…わかった」

「おぉっ!お兄さんやっさし~♪」

「代わりに、聞きたいことがある」

「聞きたいこと?いいよ~。じゃあ、まずこれを部室に運んでからね」


そう言い、進んで行く女の後を追った。

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