裏生徒会部
「とぉちゃ~くっ!」
空き教室の多い所に部室はあった。
確かここら辺に軽音部もあったな。
「あら。誰もいない…まぁっいっか!お兄さん、そこに座って」
指示された場所に段ボールを置いた後、椅子に座る。
見る限り私物が多いと思う。
ゲームや漫画や本、食器にプラモデルなどがある。
一体、何部なんだ。
「あたし、伊藤 千遊里(イトウ チユリ)。ちゆって呼んでくれたまえ☆お兄さんは?」
「一ノ瀬柊也」
「んーじゃぁ…いっちーかな!でもお兄さんの方がぴったりかも!」
「好きに呼べ」
っていうか、一ノ瀬だと大体「いっちー」とかいうあだ名を付けられるのか。
「それで?聞きたいことって何なに?」
「あぁ…白木悠と吉野正紀って知ってるか?」
「うん」
「じゃぁ、教えてほ」
「知らない☆」
「知らねぇのかよ」
「うん」ってなんで返事したんだよ。
口調がコロコロ変わるし、やけにテンション高いし…
また面倒な奴に絡んでしまったのかもしれない。
「どこの組なの?」
「えーと……3組」
多分。
そんなことを言っていた気がする程度の曖昧な記憶だ。
「3組なら真夜が知ってると思うから……」
伊藤は携帯を取り出し、ボタンを押すと、耳にあてた。
電話をしているようだ。
「あっ真夜~?真夜と話がしたいって人がいるから代わるね!」
そう言い、俺に携帯を渡してくる。
真夜って奴に聞くってことになっているのか。