裏生徒会部


隣でニコニコと笑顔で俺を見てくる栗原を無視し、サッカー部の練習を見る。

悠も混ざって練習してる、普段通り。


「あやちゃ~ん!できたよ~!」

「お疲れ様♪」

「うん。おっ!柊也くん、久しぶり」

「あぁ」


初めて会った時とは全く別人な笹島が駆け寄ってきた。

顔も違うが、雰囲気が特に変わった。

こう…キラキラしたものが見えてきそう。


「そうだわ!柊也、出来上がった新聞を見に来て♪」

「無理」

「えぇ~いいじゃなぁいっ!」


次は腰に手をまわし、抱きついてきた。

首にまわしていた時よりも力が強い。


「離れろ」

「来てくれないとは・な・れ・な・いっ♡」

「笹島……」


見ているだけの笹島に目線を向け、助けを求める。

笹島はにっこりと笑った。


「柊也くんの選択に任せるよ♪」


おい。

無理矢理にでも離すべきだろう、笹島。

なんだ、俺に任せるって。


「行くから離れろよ」

「え~っちょっと残念~」

「代わりに俺がぎゅーってしてやる」


笹島が手を広げると、栗原はそこへ思いっきり抱きついた。


「しんくーんっ♡」

「あやちゃんっ♪」


始まった。

イチャつきだすバカップル。

っていうか、俺の代わりって言い方をしていた笹島。

…それでいいのか。

< 303 / 739 >

この作品をシェア

pagetop