裏生徒会部


黙ったまま、10分程が経過した。

そろそろ出ていきたい。

つーか、離れて欲しい。


「離れろ。つか、俺は用事があるんだって」

「しんくんが帰ってくるまでだーめっ」

「…そういや笹島遅いな」

「あの子、振られて泣いてるのよ。だから泣き止むまでしんくんはいてあげてるの。しんくん優しいから」


なんで栗原はそう考えられるのだろうか。

ポジティブなのか?


「俺だったら放っておくけど」

「柊也らしいわぁ~♡その冷たさが素敵♡」

「意味がわからない、お前」


優しいのが好きなんじゃないのか。

冷たいのと優しいのは真逆だと思うが。


「ともかく離れろ。俺は戻る」

「だめだめだーめっ!!」


更に力を強め、首を振る。

…そうか。

こういう時に呼べばいいのか。

俺の最終兵器。

『姉が迷惑かけた時は呼んでください。駆けつけますので』

と真夜に言われた。

さっそく、電話をかける。

助けてくれ、真夜。

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