裏生徒会部


まずは教室へ向かった。

俺は5組で確か静音は1組だったはず。

うろ覚えだから自信はない。


「静音様は1組なんですね。なるほど」


メイドは小さなメモ帳を取り出し、書きこんでいた。

そこまで大事なことではないと思うが。

教室のドアを開けると机に顔を伏せて寝ている奴がいた。


「……鈴菜、か?」


そう言うとガバッと顔をあげた。

びっくりした……。

寝ていたんじゃないのか。


「あれ?柊也くん?」

「あぁ」

「メイドさん…?」

「凪と申します」

「凪さんか~よろしくね」

「はい」


鈴菜はにっこりと笑うとメイドと握手をした。


「お前は何やってるんだ?」

「占いの練習。夢占いしようと思って寝ようとしたけど眠れなかった~」

「家に帰ってやれよ」


こいつ絶対寝過ごすだろうし。

というより、学校では絶対占いとかはしないって言ってたのに…している。


「私が眠れるように子守唄を歌いましょうか?」

「子守唄~?」

「はい。すぐに眠れます」


そう言ってメイドは歌い始める。

上手い…と思うが、子守唄で眠れるもんなのか?

鈴菜に目線をやると…


「…すー……すー…」


寝息を立てて眠っていた。

…どっちが凄いんだ。

眠れた鈴菜か?

眠らせたメイドか?


「それでは次に参りましょう」

「あ…あぁ」


鈴菜を起こさないように次の場所へと向かった。

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