裏生徒会部
5日目。
今日こそは、と思う日に限って色んな人に絡まれる。
直接本人に話を聞いたほうがいい、ということで部活に行こうとしている悠を呼んだ。
「なんですか?柊也先輩」
「お前、なんで目を付けられてるんだ?」
「さぁ…そんなの知りませんよ」
全く気にしてないのか、素っ気なく答える。
「吉野とは仲が良かったんじゃないのか?」
「……知りません」
悠は曇った表情になり、目を逸らす。
喧嘩、なのか?
「喧嘩でもしたのか?」
「してないですよ、喧嘩なんて」
「じゃあ、どうして吉野は…」
「柊也先輩には関係ないです。っていうか、吉野もどうでもいい」
どうでもいい、か。
そして俺には関係ない、な。
確かに関係ないかもしれないが、今まで悠には世話になったこともあるし…
なんせ後輩でもあって友達でもあるからな。
「あいつらが俺に何かしてくるからって練習サボったりだってしません」
「抵抗はしないのか?」
「そうして面倒なことになってレギュラーから外される、なんて嫌ですから」
まぁ、そうだな。
つまり悠は抵抗したくてもできないわけだ。
「中学の時、柊也先輩が言ってくれた日から誓ったんです。もう逃げない、って」
悠はそう言って笑うと、地面に置いていたバックを持った。