裏生徒会部
見たい笑顔
- 静音side -
「悠くんっ!」
「…あぁ、静音先輩」
昼休み。
教室にいなかった悠くんを捜し回って、やっと見つけた。
いた場所は図書室。
梯子を登ってある、人ひとりが通れる程の場所に座って本を読んでいた。
「よく場所がわかりましたね」
「色んな人に聞いて回ったの」
「そうですか。ところで何か用ですか?」
「特に用ってわけじゃないんだけど…一緒にお昼食べようと思って」
「え。俺、もう食べちゃいましたよ?っていうか、あと少しで昼休み終わりますし。ほら」
悠くんが携帯の時計を見せる。
捜し回っていたらこんなに時間が経っていたとは…!
あと5分くらいで5時間目が始まってしまう。
「…それで。俺は5時間目サボるつもりだからいいですけど、静音先輩はいいんですか?戻らなくて」
正直、戻って授業を受けたほうがいいというか、受けなきゃいけない。
でも、せっかく悠くんを見つけられたんだし……
「今日だけ…サボる」
「そんなに俺と話したかったんですか」
悠くんは笑って、隣に置いていた鞄を退かし、私の座る場所を空けてくれた。