裏生徒会部
裏切りと憧れと親友
- 柊也side -
悠とは静音が悪いタイミングで入って来たあの日からずっと話が出来ていない。
昼休みに見かけた時は必ず静音がいる。
……どういうことだ。これは。
机にうつ伏せ、考える。
悠をあの苛めみたいなやつから助けるにはどうすればいいのか。
本人は「関係ない」とか言ってくるし。
それだったら、もう関わらないほうが悠にとっては嬉しいのか…?
「でも放っておけないのが優しい柊也くんだよな~」
顔を上げると、前の席に座っている仁。
「なんでここにいるんだよ。お前は2組だろ」
「奏十に用があったから来たんだ。そしたらうつ伏せてる柊也がいたわけ」
「それで人の心を勝手に読むな」
「そんな能力ねぇよ。口から漏れてたぞ」
「…………」
無意識……怖いな。
今後、気をつけないと。
「それで、柊也はどうしたいんだ?悠を助けたいのか?」
「…まぁな」
「じゃ、悩むことないだろ。助けてやれ」
そう言われてもな。
あー…優柔不断すぎる、俺。
「お節介って言われようが、助けたいなら助ける」
「は…?」
「お前のとこの部長様がよく俺に言ってきた言葉だ。…まぁ、それだけ。じゃあな」
軽く手を振り、教室を出て行った。
「お節介って言われようが、助けたいなら助ける」か。
迷惑になるかもしれないとは考えないところがまたあいつらしいな。
「……話してみるか」
メールを打ち、そいつに送信。
来なかったら俺が捜す。
めんどくさいけど、そんなこと言ってられないしな。