裏生徒会部
放課後になり、その場へ行くと、ちゃんとそいつの姿があった。
「吉野、久しぶりだな」
「そうですね、一ノ瀬先輩」
さて……
まずは吉野が本当に変わってしまったのかを確かめるか。
ヘタレ吉野は大の虫嫌いだった。
見せるだけで腰を抜かす。
「吉野、俺の手を見てろ」
「はい…?」
そう言って、重ねていた上の手を退かす。
「うわっ!!??」
吉野は驚いて、腰を抜かした。
中学の時と同じ反応。
更に近付けて見ると涙目になる。
「なななっなんですかっ…一ノ瀬先輩!!や、やめっ……虫無理って知ってるくせにっ!!」
そう言われやめてやった。
ちなみに俺の持っていたものはバッタ…
の模型。
美術部から借りてきた。
本物そっくりの模型だ。
「大丈夫。これ偽物だから。模型、模型」
「だ、騙されませんよ…そう言って油断させて……」
「俺はそこまで性格悪くない」
仁、央、悠と一緒にしないでほしい。
あの3人はマジ腹黒。
「確かめるために触るか?」
「結構です!!」
きっぱり断られた。