裏生徒会部


帰ろうと校門へ向かおうとした時。


「悠くんどこ行くの!?」

「部室です。部室」


悠に手を引かれ、走って行く静音。

静音の制服や髪にはなぜかペンキがついたような色がついていた。

…何やってんだあの2人は。


「しゅーやー!!」

「ん?」


声のした方を見上げる。

窓から顔を出し、手を振ってくるのは弟。

その隣にはイトコ。


「今日は早く部活が終わったから一緒に帰ろーよ!鈴も」


正直、大きな声を出す気力はない。

返事は首を縦に振るだけ。

しばらくすると、2人は降りてきた。

すると鈴菜が急に俺の手を握る。


「「え」」


咲也も俺も自然と声が出た。

なんで手を握られたのかわからない。

鈴菜は黙ったまま。


「おい、鈴菜?何…」

「……よし」

「よし?」


俺の手を離し、親指を上に立て、笑う。

…いや、意味わかんねぇし。


「柊也くんに不幸が訪れる」

「は?不幸?」

「えぇっ!?柊也死んじゃうのっ!?俺、そんなのやだよ!!ご飯が食べれなくなる!!」

「理由はそれかよ」


兄より自分の飯の心配をする弟。

っていうか、死ぬ前提なんだな…。

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