裏生徒会部
中西は外を指差し、そう叫んだ。
誰1人、外を見る奴はいない。
クラス全員、先生もぽかんとした顔をしている。
中西は「あれ~…」と焦りの表情。
こいつに頼むんじゃなかった。
「先生、提案があるんですけど」
そう言って奏十は手を挙げた。
「あ、あぁ…なんだ、保坂」
「このふざけた中西くんを廊下につまみだすのをオススメします」
「そうだな」
「えぇっ!?」
先生が近づいていき、中西を引っ張る。
前のドアから出すために、背を向けて前へと向かう先生。
奏十は「今だ」と合図をくれる。
俺はその隙に後ろから教室を出た。
「まずは場所……岸本なら知ってるか…」
岸本に電話をする。
何度もコールをし、やっと出てくれた。
「岸本」
『ふわぁ~……ん…誰』
「一ノ瀬柊也だ」
『あ、あぁ。いっちー。どうした?』
「北の奴らの場所?つーか、まぁ溜り場?分かるか?」
『ん、まぁ。えーっと、月桜の校門から北に行って…』
岸本の若干曖昧な説明を頼りに、その場に向かった。