裏生徒会部

終わりよければ全てよし!?



- 静音side -


男の子はまず、私の足の縄を解き始めた。

悠くんは驚いたまま、男の子を見る。


「なんで…吉野……」

「…ごめんね、悠。……僕、悠のこと裏切った……本当にごめん…」


吉野くんは顔を下げたまま、話す。

その声は微かに震えていた。


「……怖かったんだ…また、殴られるのが蹴られるのが……もう嫌だったんだ……だから悠を裏切っちゃったんだ……」

「じゃあ……なんで…今、助けてるんだよ」

「変わりたいから…もう、弱いままなんて嫌だから……友達を見捨てたりしたくないから………」

「吉野……」


吉野くんは中学の時、よく不良に絡まれていた。

そしてそれを助けたのは悠くんと柊也。

2人も結構、ボコボコにされちゃったらしいけど、それでも吉野くんを庇った。

それから悠くんと柊也に憧れて、サッカー部に入って、仲良くなった。


「夏休みの終わり頃、レギュラーが発表されたよね」

「あぁ、うん」

「その時に矢口先輩に言われたんだ。レギュラーになるために俺と組まないか、って」

「それで組んだわけか」

「うん」


そして9月に入って、始まったのが悠くんを精神的に追い詰めて辞めさせること。

水をかけたり色々していたやつだ。

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