裏生徒会部
「止めなきゃいけなかった……けど、ここで止めたら…また痛い思いをするって思うと怖かった……本当、最低だよ…僕は」
「そう、かな…ううん。そんなことないよ」
「え…?」
確かに止めなかった。
自分が痛くなるのが嫌だから。
怖いから。
なんて、傍から見れば最低かもしれない。
でも、吉野くんと同じ立場だと自分を守るためにそうする人だっているはずだ。
「吉野くん、今助けてくれてるじゃない。普通、1人で助けにくるのは怖いよ」
「…それでも僕は最低で……」
「あぁ、最低だな」
「悠くん…」
「でも、それは俺を裏切ったお前。今は助けに来てくれたから最低じゃない。ヘタレのくせに」
「…悠ぅ……ヘタレは余計だよぉ……」
「泣くなって、ヘタレ吉野」
悠くんは優しく微笑んだ。
ちょうど柱と私達を縛った大縄と足の縄を外した時。
なんだか外が騒がしいことに気づく。
誰かが来てくれた…?
入り口に目を向けると、作られたドアのような所がバンっと開かれた。
ずっと薄暗い場所にいたため、いきなり明るい光が目に入ってくると眩しい。
わかるのは、黒い影が数十人いること。
段々と目が慣れてくると、ドアの所にいる人物の顔が見えてきた。