裏生徒会部
最初に見えたのは金属バットを手に持った先輩。
その少し後ろの両サイドにサッカー部の人。
あとは知らない人が多い。
先輩が横にずれると、両サイドの人に手を縛られた人の姿。
「柊也!?」「柊也先輩!?」「一ノ瀬先輩!?」
私達、3人の声が響き渡った。
制服は泥などで汚れている。
傷ついた顔で、私達を見た。
「無事…なのか」
「柊也先輩っ!俺らの心配してる場合ですかっ!?」
悠くんが駆け寄ろうとした瞬間、金属バットが床に叩きつけられた。
「動くなよ?今から楽しいことするから…てめぇはそこで見てろ」
確かに、今動いても両手が縛られているから何もできない。
先輩の目は悠くんから吉野くんへと移った。
「吉野、裏切ったお前に一度だけチャンスをくれてやる」
「チャンス…?」
「このバットで一ノ瀬を殴れ。そしたら今そいつらを助けたことはチャラにしてやる」
吉野くんは少しの間固まっていたが、ぐっと手を握りしめ、立ち上がった。
悠くんは目を見開く。
「吉野!!お前、変わりたいんじゃなかったのかよ!?さっきまでの言葉は嘘か!?」
「変わりたい……変わるよ…」
吉野くんは手を後ろにやると、此方に向かってピース。
「あ……吉、野…」
何かの合図。
それだけは分かった。