裏生徒会部
吉野くんは先輩からバットを受け取る。
「吉野……」
「一ノ瀬先輩…すみませんっ!!」
吉野くんが思いっきりバットを振り上げた瞬間。
また外が騒めきだす。
1人の男が先輩の元へと駆け込んで来た。
「矢口さんっ!東の奴らっす!!それとよくわからないメイド服を着た女が」
東の奴らっていうのはわからないけど、メイド服を着た女って…まさか……
いや、でもなんでここが?
柊也が教え…そうにないけど。
ガシャーンっとドアが破壊されると、2人が走ってきた。
「すーぱー嵐ちゃんきーっく!!」
「すーぱー蓮様きーっく!!」
柊也を掴んでいた人にそれぞれ飛び蹴り。
そして見事に着地した後、睨み合う。
「蓮!あたしの技をパクるな!!」
「はぁ?嵐がパクったんだろ!?俺は昔から愛用してるぞ!!」
「あたしだって昔から愛用してる!!」
助けられた柊也は、2人の会話にただただ呆れていた。
「…チッ!!」
「わっ!!」
先輩は吉野くんに渡したバットを取り上げた。
そして此方に向かってくると、私を引き寄せる。
「きゃっ…!?」
刑事ドラマとかでよく見る人質状態。
持っている物はバットだが。
「静!!」
「せけぇぞ!!矢口!!」
「そーそう。せこいわよ?やぐっちゃん」
「…え………」
突然現れた人。
女口調だけど、声は男声。
その人を見た途端、私を掴んでいた手の力は弱まった。