裏生徒会部
サングラスを外し、笑顔で手を振る。
「やっほーやぐっちゃん」
「浪川…さん……なんで…帰ってくるのは明日だったんじゃ…」
「そうなのよ~。明日のつもりだったんだけど、ウチの可愛い妹がどうも高熱出しちゃってるみたいでね?急いで帰ってきたの。そしたら、けろっと治っててね…で、遊びに来てみたら………どういうことなのかしら?」
笑顔のまま、問いかける。
笑顔が笑顔じゃない気がするけど。
先輩は黙り込み、私から離れた。
「これは…その……」
「全部話はたっちーから聞いたわよ。別にあたしが言うことじゃないんだけどね。だって、ここの総長は今は貴方だもの。でも…こんなことして恥ずかしくない?あたしは元総長としてがっかりだわ」
元総長って…この人が!?
全然見えないし、美顔だし、女装とかしたら絶対似合う。
先輩はずっと立ち尽くしたままだったが、皆をかき分けてどこかへと走って行ってしまった。
止める人なんて誰一人いない。
皆、急展開な状況についていけていない。
私もだけど。
だから唖然としていた。
とりあえずわかることは…助かったってこと……かな…?
「静音様ーっ!」
「凪さんっ!」
やっぱりメイド服を着た女、っていうのは凪さんだった。
そして、凪さんの声で皆ははっとなる。
「お怪我はありませんかっ!?」
「う、うん。大丈夫だよ」
そう言うと、ほっと息を吐く。
その後、手の縄をてきぱきと外してくれた。