裏生徒会部
凪さんは月森くんが風邪を引いたと連絡があって、月森くんの家に向かっていたらしい。
月森くんの家へ行くには一度、学校を通る。
つまり、通学路と同じわけで、その時に私と悠くんの傘が落ちていることに気づいた。
「成様に協力してもらい、なんとか場所を特定することができたんです」
そして、この廃墟のビルへ。
そこで、嵐ちゃん達と会った。
話が繋がり、突入。
そんな流れだそうだ。
嵐ちゃんは、雨が降っていたため、屋上に行かずふらふらしていたとか。
すると、慌てて走って行く柊也を見かけ、不思議と思った。
友達に連絡をし、ここに向かっていることがわかった。
もし、月森くんが風邪を引いてなかったら、凪さんは外出しなかったかもしれないし。
もし、雨が降っていなかったら、傘も落ちていない、嵐ちゃんもふらふらしていなかったかもしれない。
こうした色んな偶然が起こったおかげで今に至る。
「ごめんなさいね。本当はいい子なのよ、やぐっちゃんは」
「私もそう思います。先輩、本当はこんなことする人じゃなさそうですし…」
「ふふっ…貴方、見る目あるのね。ありがとう、そう思ってくれて」
「はい…?」
「さぁて。あたしはやぐっちゃんを捜してくるわ。ちゃんと謝らせるから」
そう言うと、浪川さんは去って行った。
しばらく、その場にいた皆は何も言わず時間が過ぎた。