裏生徒会部
…とは言っても。
私、ピアノは簡単な曲で片手でしか弾けないし。
知ってる人にピアノ上手い人なんていたかな。
「こんちはーってあれ?なんかいっぱいいる…」
「咲也くん!ちょうどいいところに!」
「え?え?なんですか?」
「ピアノ弾ける人とか知り合いにいない?」
「ピアノ弾ける人って…あ。ほら」
咲也くんが指をさした方向。
そこには頬杖したままいつの間にか寝ている柊也。
え。嘘。
柊也ってピアノ弾けるの?
全然想像つかないんだけど。
「柊也、小学校の頃から…えっと多分、中学…1、2年の頃まで習ってたから。今も部屋にピアノありますよ。ね!柊也」
「それじゃ、ちょうど良かったわ!柊也くんに任せるわね」
「本人寝てるし聞いてないんじゃないの?」
「柊也、起きて」
「……起きてる。聞いてた。嫌だ」
目を瞑ったままそう言う。
「一之瀬!ちょっと来い!」
「は!?」
一ノ瀬くん…わかりにくいから凌久くんでいいや。
凌久くんは柊也を引っ張り、端へと連れて行った。
なんの話合いをしてるんだろ…。
神埼さんと男の子4人は顔を見合わせると、首を傾げていた。
「あ、静音さん。茜先輩が今日は一緒に帰れなくなったて伝えて来いって」
「そうなんだ、わかった。っていうかメールしてくればいいのにね」
「なんか携帯忘れちゃったとかで…人使い荒いですよねー」
「だね。わざわざありがとうね、咲也くん」
「いえいえ。じゃっ、まだ部活あるんで!」
咲也くんはすぐに部活へと戻って行った。
しばらくすると、端で話していた2人は元いた場所に座った。
「ってことで、やってくれるって柊也。なっ?」
「そうなの?柊也」
「え。まぁ…うん」
凌久くんは満足気な顔。
柊也は嫌々ではありそうな、なさそうな…。
「りっくん、なんて言ったんだ?」
「涼には教えてやんねぇよ」
「柊也くん、凌久が脅したりしたんじゃ…?」
「まぁ、そんな感じでもある」
「ちょっ柊也!桜も俺をなんだと思ってるんだ!」
なんだろう…
凌久くんていじられキャラなの。
それとも仁的な俺様タイプなの。