裏生徒会部


色々回って、次は音楽室。

凌久くんの希望ともあってやって来た。


「ちょっと半信半疑だったんだけど凄いわ!」


そう中から声がして覗いてみると、ピアノの前に座る柊也とその横に桜がいた。

どうやら学園祭で弾くピアノの練習をしているみたい。


「柊也と桜が…逢い引き……」

「違うと思うよ、凌久くん」


なぜか中に入ろうとせず、ドアから見守る。

私も合わせてドアから2人の様子を見ていた。


「もう1回、サビからお願い。私は歌うから」

「あぁ」


桜の合図に合わせて弾き始める柊也。

本当に弾けるんだ。

しかも昨日貰ったばっかりなのに。

あの人と似た弾き方…音色……


「…ずね。おい、静音。俺を無視するな」

「え、あ、ごめん。何?」

「講堂行こうぜ」

「桜達に声かけなくていいの?」

「いい。つーか、かけたらサボったこと怒られるし」


凌久くんは私の手を引き、すたすた歩く。

もう少し聞いていたかったけど…しょうがないか。

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