裏生徒会部


部室に着いて、机の引き出しから暇な時の遊び道具を全部出してみた。

トランプ、オセロ、将棋にチェス、麻雀……その他色々。


「なんか色々あるな」

「相当暇なんだね」

「ババ抜きしよーぜ!ババ抜き」

「ババ抜き?凌久弱いじゃん」

「うるせぇ。今日は勝つ!」


そう言ってトランプを切りだした。

第一回戦。


「これ……よし。あがり」

「わたるんはいつも早いな」

「俺、直感力があるからね」


早くもあがった榊くん。

順番は鬼塚さん→私→凌久くんとなった。

鬼塚さんは私のを引き、どうやら被りはなかったみたい。

次は私が凌久くんの。

被りなし、と。

次は凌久くんが鬼塚さんの。


「んー…こっちっ!」

「ちょっーと待った。本当にそっちでいいのか?りっくん」

「え……い、いいぜ」

「本当に?本当にいいのか?」

「いいっ!騙されるかっ!」


勢いよく引き抜き、カードを見た瞬間、部室中に声が響き渡った。


「だからそれでいいのかって聞いたろ」


そう言うと私のを引く。


「はい、お疲れ」

「じゃあ、私と凌久くんだけだね」


私1枚VS凌久くん2枚。

ババを持っているのは「騙された」と呟いている凌久くん。


「凌久。相手は違うけど騙し返せば?」


その榊くんの言葉にピクリと反応し「おっしゃ!」とやる気満々。

真剣な表情でカードを前に出した。

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