裏生徒会部


左側のカードに手をもっていくと凌久くんの顔は嬉しそうな顔に。

こっちはジョーカーか。

ということは右。

右のカードを取ろうとしても取れない。

理由はただひとつ。

凌久くんがぎゅっと力強く掴んでいるから。


「あのー…凌久くん?」

「ほっ本当にこっちでいいのか!?考え直したほうがいいんじゃないかっ!?」

「これでいいよ」

「いやいや左の方が…な?な?」


必死。

それが教えているようなものなのに。

榊くんと鬼塚さんは呆れちゃってるし。


「ごめんね、凌久くん」


あがり。

第一回戦、凌久くんの負け。


「バカだ。本当にバカだ」

「わたるん。バカにバカって言ったら大バカになるぞ」

「誰が大バカだっ…!たまたまだっ!次は勝つ!!」


第二回戦…凌久くんの負け。

第三回戦…凌久くんの負け。

第四回戦…凌久くんの負け。

第五回戦…


「はい、またまたまたまたりっくんの負け」

「なぜだ…なぜ勝てない……」


言動、そしてなにより顔に出やすいところが欠点だと思う。

一応、素直だから、ってことにしとこう。

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