裏生徒会部
「勝てないからやめる」と拗ねてしまった凌久くんを無視し、榊くんと鬼塚さんはチェスを始めていた。
機嫌直してあげたほうがいいのかな…。
「凌久くん」
「なんだよ…」
「何か欲しいものある?」
「桜」
「…………は?」
桜って咲く桜だよね?
まさか人の桜じゃないよね?
「つーのは冗談でもないけど冗談」
「どっち」
「ってか静音、好きな奴いる?」
「え。す、好きな人?」
なんなんだろう、いきなり。
好きな人なんて……いやいやいないよ。うん。
最近、助けてもらったからだけであって…別に好きとかじゃないしっ!
えっとなんだったけ…
そう。吊り橋理論ってやつだ。
うん。そうだよ。
「何赤くして。いるってことか?」
「えっいないよ」
「いないのか。…まぁ良かった……いやでもなぁ…」
「何が?」
「独り言だ。気にするな」
その後、凌久くんに学園の話を色々聞かせてもらった。
教えてもらう度に興味がどんどん持てた。
「あ。18時だ。夜練始まるね」
「本当。行くぞ、りっくん」
「えーだりぃ」
「強制連行。しーちゃん、またな」
「はい、また」
私も帰ろうっと。