裏生徒会部


次の日。

嵐から『緊急事態だから早く屋上に来て』とメールがきた。

なぜか最近呼び出されることが多い。

階段を上っていると、携帯を操作しながら下りてきた女。


「きゃっ!?」

「え!?」


階段を踏み外したのか、ぐらついて落ちそうに。

ちょうど俺のとこに倒れたおかげで怪我はない…と思う。


「すみませんっ!」

「いや」


女を離そうとしても離れない。

正確に言うと、離れられないようだ。


「足、捻ったのか」

「しばらくすれば治ると思います」


つーことはしばらく支えてろってことか。

正直嫌なんだけど。

早く行ってやらねぇと殴られそうだし。

この階はまだ二階だし…一階の保健室に連れて行ったほうが早いよな。


「へっ!?あのっ!?」

「保健室で診てもらえ。俺は用事があるからしばらくなんて支えていてやれない」

「で、でもっ…このっ…!」

「しょうがないだろ」


女が慌てたのは俺が横抱き…所謂、お姫様だっこをしたため。

階段じゃおぶろうにも無理だし。

俵担ぎだと抵抗されそうだし、つーかなんか可哀想。

あー…本当は保健室自体に行きたくないんだけど。

しょうがない……。

てか、足踏み外すぐらいなら携帯しながら下りるなっての。

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